
「兄さん、この街出るの?」
「ああ、サンセット・バレーのチームに移籍することになったんだ」
「そっかー、なら、僕、兄さんの活躍、観にいくよ!」
「OK、待ってるからな」

「あっちでエースだって? 誇らしいよ、応援してる」
「おう。遊びに来いよ」

「兄ちゃん、最後に勝負だ! 勝ち逃げダメだぞ!」

「気をつけて行けよ」
「うん、むこうのチームで頑張るよ」
「心配だわ・・・」
「でも、ずっと父さんと同じとこにいるわけにもいかないからさ」
「・・・いつでも戻ってこい」
「・・・うん」

・・・そういえば、1人になるって生まれて初めてだな・・・。

彼は、そして巣立ったのでした。