「こいつだ」
テオドルとケイティは夫婦になり、パルミラは高校生に。
2人の子供ルネッタも元気に小学校に通っています。
前の家を自ら手放したことで、テオドルは何かを見つけたよう。
冬の話がもうちょっとだけ続きます。
ケイティが妊娠しました。
テオドルは大喜び。
妊婦に対するアクション、友好度がさほどでもないシムがやると微妙な気分になりますが、親しい間柄だと、ほんと、幸せそうで和みます。
「ケイティ、そろそろ赤ちゃんが生まれるんだから無理しないでよ」
パルミラはケイティの身体が心配そう。
そして生まれたのは海が好きな男の子、リナルド。
テオドル、家庭に男が増えてよかったね。
そんな中、ケイティはアルフォンソの妻ロピータから、ホームパーティに呼ばれます。
え、この後ろ姿は・・・
うわー! 夫の不倫相手をパーティに呼びつけるロピータすげー。
あ、でも、今回、ドレスコードはフォーマルだけど、見ての通り、フロリータは着替えてません。
もしかしたら、呼びつけたのではなく、勝手に来たのかも。
それでもドロドロには変わらないんだけど・・・!
怖いよう、この顔が怖いよう。
パーティも半ば、アルフォンソがケイティをダンスに誘います。
「パーティは楽しんでいただけていますか」
「はい、とても素敵なお宅ですね。特にプールが素敵」
「ははは、家のことはロピータに任せていますので、彼女に言ってやってください。喜びます」
「そうします」
「あなたがこちらへきて、もうだいぶ経ちましたね。この島の住み心地はいかがですか?」
「ええ、明るくて奔放で、それでいて優しい、とてもいい街だと思います」
「島のものとしては嬉しい答えですな。ですが、ローリングハイツよりはだいぶ田舎でしょう、シモビッチ元夫人」
「・・・」
「どこかでお見受けしたと思ったんですが、下らないゴシップ誌にいらっしゃった」
「そうですか」
「金で伴侶の人生を買うのは、お家芸ですかな。おっと」
「すみません、ダンスは不得手でして・・・足にお怪我はありませんか?」
「・・・お気になさらず」
「今日のところはこれで。次は、ぜひ、自動車王ゆずりの経営術をご指南いただきたいものです」
バレバレだったとは思いますが、ケイティの亡くなった夫は、ローリングハイツのパワーブローカー、自動車王ヘンリー・シモビッチだったのでした。
前に、ローリングハイツを遊んでいた時に、ケイティとヘンリーが早々にくっつき、あっという間に死別してしまったんですね。
ストーリーになるほどの山も谷もなかったのですが、何故かものすごく落ち込んでしまい、そのまま封印。
新しくアイランドパラダイスを遊ぶにあたって、初期資金が多い方がよかろうと、ケイティのデータを引っ張り出してきたというわけです。
そんなわけで、お金持ちの未亡人というスタートになったのでした。
そして、妄想もスタートしたのです。ぐふふ。
過去写真のために、改めてプレイし直しちゃったよ。
老齢と若年の夫婦ですから、まあアルフォンソみたいな反応が普通で、だからこそ、ケイティは自分の身分は明らかにせずにいたんですが・・・一番面倒な人に知られてしまいました。
でも、隠す必要もないわよね、ヘンリー。
手続き、終わり。オフィスビルって疲れる。
お金持ちも面倒ね。私みたいな貧乏画学生に奨学金を出さなくちゃいけないなんて。
社会奉仕も大変。
にしても、ローリングハイツってどこもかしこも高いわね。泊まるところとか、どうしよう。
ま、なんとかなるか。
とりあえず目の前の公園が素敵。行ってみよう。
ん? あれはさっき奨学金の申請にきた・・・熱心で結構だな。
ふむ。
すごい! すごいローリングハイツ!!
こんなキレイな夕焼け見たの初めて。
これは描かなくちゃダメだわ。もっと早く動け、私の右手。
「・・・起きなさい。女性がこんなところで寝るものじゃない」
「んー」
「ふあー。だって、夕焼けが素敵すぎて安い宿をあちこち探す時間が勿体なくって、でもローリングハイツは全部が高ぁい」
「それにしても、無防備に過ぎないか」
「・・・!!!」
「え、あ、社長、すみません。今日だけです。ちゃんとします」
「もう手続きしたのなら、よほどのことがない限り援助を取り消すことはない。落ち着きなさい」
「・・・はい」
「宿がないのか? 住むあては?」
「・・・ありません。選ばれた! やった!って、後先考えずにここまで来ちゃって・・・」
「・・・」
「あ、でも、もともと今日は宿を探すつもりでしたし、アパートを借りるくらいなら何とかなりますから、うん、大丈夫です」
「来なさい」
うわ、何この家、大きすぎない・・・?
「とりあえず、住処が決まるまではここを使いなさい。不明な点は使用人に」
「・・・」
「君は私が投資している人物だ。わが身ひとつではない、ということを自覚することだ」
「すみません・・・ありがとうございます。すぐ家を見つけて出ていきます。迷惑はかけません・・・ところで・・・あの・・・」
「なんだね」
「この家って、イーゼルを置いていい場所ありますか・・・?」
「・・・」
「いえ、あの、さっき素敵な夕暮れを見たんです。だから早く残しておきたくて」
「描くのは好きか」
「はい! 空間と感覚を平面に描くのは本当に難しいけど、楽しいです! せっかく後援していただけるのですから、一刻も早く画家になりたい。世界は美しいのよー!って、世界のみんなに言いたいです」
「・・・書斎に置くといい」
「ありがとうございます! 色々なことが、本当に嬉しいです」
「・・・」
「・・・私、とてもうるさいですね・・・ごめんなさい。お先に失礼します。今日は本当にありがとうございました」
そうして、いつの間にか、私はヘンリーを愛するようになって、そして彼の妻になった。
最初はね、とても不安だったの。
だから、ヘンリーに聞いたのよ。あなたみたいな地位も名誉もある人が、あなたと同じステージにいない私を選んだのは何故って。
確かに私は地位もあるし名誉もある。そして何より金があるな。
ただ、ケイティ、金は、持ってるだけではわずかな利息と大きな嫉妬しか生まん。
私はそんな軽薄なものはいらない。
欲しいのはもっと複雑で未知なものだ。
それは人だよ。
やはり人は面白い。
人に投資をするんだ。そうすれば、利益の他に親愛と誇りが手に入る。
そしてその連鎖は、やがて世界を豊かにする。
ケイティ、いつか、お前が未来を望む人間がいたら、そこに投資しなさい。
だが、世の中は見かけ通りじゃない。人も同じだ。
だから、人を見る目を養いなさい。
人にもらうのを当たり前だと思う人間は、投資に値しないのだからね。
これが、私と前の夫ヘンリー・シモビッチの話。
「アルフォンソの口から変にあなたに知れるよりは、私の口から言いたくて」
「・・・」
「・・・手に負えない?」
「いや、言ってくれてありがとう。君の謎がとけた」
「ごめんなさい」
「何を謝るの? 過去があって君がいる、今がある。ただそれだけじゃないか。それに、君は俺に『未来を望みたい』って思ってくれたってことだろう? それはとても光栄だ」
「・・・テオドル・・・」
「うん、決めた。ケイティ、春の間はハウスボートで暮らそう。しばらく浮き草生活だ」
「家はどうするの?」
「この家は売る。アルトの近所だと、また何か言ってこられる心配もあるし、俺もいやだ。前の家を売ったお金もあるから、それで別のところに家を建てよう。その間、海の上での生活を楽しむんだ」
「子供たちが喜びそう」
「釣りもシュノーケリングもダイビングも遊び放題・・・なんだ、俺が一番喜んでるな」
「ふふ・・・ありがとう」
そんなわけで、メディナ一家はハウスボートで暮らすことになりました。
これまでケイティ主導で進んできましたが、かつての家を売ったせいなのか、テオドルがとても頼もしいです。
心情的にも、この辺からテオドルの一家、という感覚になっていきます。
私はこの感覚がとても好きです。シム世界にリンクできた気がする。
まあちょっと強引すぎる気もしなくはないですが、ハウスボート生活、やってみたかったんだもーん。
この美しいハウスボートは、やっぱりTSRさんからのダウンロードです。
「Nausicaa」
こんにちは!(^▽^)/
やはりあのモノクロ写真の人物はシモビッチ氏だったのですね。ヘンリーさん素敵ですよね。優しくて厳しくて包容力があって…。もちろん財力も!
それにしてもテオドル、頑張ってほしい。元々の設定が「捨てられキャラ」だからなのか、なんかちょっと頼りない感じがしてしまいます(;´Д`) でも変身の兆しもあるようで、続きに期待してます!
桂馬さま、コメントありがとうございます!
ふふふ、ヘンリーと結婚するプレイをした桂馬さんは、絶対にわかると思っていました。
ヘンリーさんは、本当に懐の深い素敵なシムですよね。「気難しい」がついてるけど、ネガティブな反応されたことは1度もありません。
ただまあ、人として大きすぎるので、ケツの青いテオドルが発展途上で物足りなく見えてしまうのは確かです。
ケイティはヘンリーの人生哲学が自然に身についていて、テオドルとほぼ同じ年なのに妙に老成されてますが、実際の人間力としては、テオドルくらいが普通なのかなー。
まあ、1度、大きな挫折をしているので、チャレンジが怖いっていうのはあるとは思います。
ほんと、シムたちは謎の個性があって面白いです。