誓約嫌いのシムは、誰かと長い関係を築いたり、一生の仕事を持ちたいとは思っていません。結婚なんて論外です!
さて、シドニーが結婚し、自分の人生が一息ついた時、ピアースはヴァージニアをレッドウッドハイツ・デラックスロッジに連れ出します。
ここは本当に眺めがよくって、なぜかベッド・トイレ・シャワー完備の個室もあって、ええと、ホテル・・・?
何度かここで、街のシムたちに子供ができる瞬間を目撃したことがあります(笑)
でも、今はそれどころじゃないね。
「・・・いつ出ていけばいい?」
「? なんだって?」
「シドニーが結婚して、あなたはこれからあなただけの人生を歩むんでしょう? もともと、私と恋人になるのだって無理してたんだろうし」
「ちょ、ジニー」
「わかってる。最初から理解してる。いつか来るってわかってた。とても幸せだった。ありがとう」
「ジニー」
「でも、子供たちにはパパでいてね? たまに会ってあげて? みんなパパが大好きだから・・・」
「・・・私も、大好きだけど・・・」
「ヴァージニア!」
「!?」
「違う、違う。別れるなんて考えたことはない」
「じゃあ・・・何?」
「・・・」
「結婚しよう」
「!」
「ピアース、わかってる? 結婚って、ずっと一緒にいる約束をするってことなのよ?」
「経験者だぞ。君より詳しい」
「・・・辛くないの? 大丈夫なの?」
「なんだかもう、そういうのではない気がするんだ。確かに、俺はもう『別れ』はイヤだ。でも君は、いつもずっと俺との別れに怯えている」
「・・・」
「俺がしたくないことを君に肩代わりさせてる・・・少し意味は違ったが、前にシドニーにそう言われてな」
「・・・うん」
「今、俺は君の何も背負ってない。それはとても卑怯だろう?」
「そんなこと・・・」
「でも、何より君といて幸せだし安心なんだ。君にもそうあってほしい」
「・・・」
「だから、俺は君とともにありたい。そして、これまでの分も、君を幸せにできたらいいと思う」
「・・・」
「・・・ダメか?」
「ダメなわけない! ああでもどうしよう、予想してなくて・・・」
「どうもしない。『うん』って言えばいいんだ」
「・・・うん」
「もし私があなたにとって息苦しい女になったら、嫌いになる前に、ちゃんと言ってね」
「そんなことにはならないとは思うんだが・・・そうだな、そのたびに話しあおう。俺はあまり会話が得意じゃないが、努力はできる。だから君も、先回りで我慢しないで、ちゃんと話してほしい。君となら大丈夫だ」
「私、あなたの奥さんになったのね!」
はー、やれやれ、ようやく本当に一区切りつきました。
ピアースの性質上、結婚させるかどうかすごく迷ったのですが、やっぱり最初の「この人だ」という直感と、これまでの積み重ねを考えて、夫婦にすることに決めました。
ヴァージニアもずっと、消しても消しても「ピアースと結婚したい」って出し続けてたしね。
一緒に過ごしてきた日々を、なかったことにもできなくて。
神の采配になってしまうけれど、それもまた、物語の一部であったらいい。
これで世帯の苗字はすべて「シャウティ」になりました。
マーガレット、よかったね。
そして、この日、ちょっとした奇跡が。
フリーウィルに任せていたら、ピアース夫婦はレッドウッドハイツ・デラックスロッジで、シドニー夫婦は自宅で、ほぼ同じ時間に子供を授かりました。
双子じゃないけど双子みたいな、不思議な子供たちが加わることになります。
しかし、まだディエゴは幼児・・・そこに2人加わるのか・・・恐ろしく忙しくなること確定!
でもまあね、特別な日だったからね。
それから、ピアースとヴァージニアの夫婦は子宝に恵まれ・・・恵まれ・・・恵まれすぎて大変なことになってますので、もう少し、続きます。