憧れのアーティスト、ハーウッド・クレイに出会い、これまでのクールさが一変、好意が暴走するサブリナ。
でも、彼にやんわりと、でもきっぱりと拒絶されて、ちょっとどうしたらいいかわからない・・・。
落ち込もうが泣き喚こうが、日々は過ぎていきます。
気分が沈んで何もする気にならなくても、ごはんは食べなきゃいけないし、仕事はしなくちゃいけない。
そんな人間の生物としての営みが煩わしく感じちゃうのも、そういう時で。
こういう時はスキができるのか、やけに男どもがコナをかけてきます。
基本的にロマンチックコマンドは拒まない独り身の超ロマンチストですから、それなりに応じはするものの、なーんかテキトウなんだよねえ。
すぐに本を読みたがる。
そんなにハーウッドが好きか。
プレイヤーとしてはさ、ハーウッドさんはキャラとしては気に入ってるけど、やっぱり老齢、どうしたって先は短い。そんな人に恋するよりは、未来をともに歩いてくれる人とつきあってほしいわけですよ。グッド氏バッド氏その他、色々いるじゃない!
でも、時にシムは頑固だよね。1人にずーっと執着してたりする。
たとえ誰かとウフフなフレンドになっていたとしても。
基本的にマイシムを甘やかすプレイヤー、「まあ、君がいいならいいんだけどさ・・・」ってなっちゃうんだけど、ああもどかしいったら。
そんなこんなで、テンションの低いまま、淡々と進むプレイ。
鼻歌でも歌いながら見てればいいのに、一緒になってストレスを貯めるプレイヤー。
もうなんか、このまま終わりにしようかと思った時。
「ああ、サブリナ! 久しぶり」
サージェント家の奥方、スカウトさんから声をかけられました。
「もう、挨拶もそこそこに出てっちゃうんだから、心配したのよ」
「スカウト・・・」
「今はどう? 1人で大丈夫なの?」
「・・・うん、大丈夫。1人でも平気。私は大丈夫」
「でもね、やっぱりこの街はちょっと物騒じゃない? 若い女の1人暮らしは何かと危ないんだから」
「でも、エイミーとかカドルさんとか、1人で暮らしてる人もいるし・・・」
「あの人たちが住んでるのは中洲だもの。あそこはひとかたまりの家みたいなものだから、何かあっても近所が助けてくれるでしょ。でも、あなたの家はちょっと他からも離れているじゃない? あなた危なっかしいんだもの、心配で心配で」
「そうかな・・・」
「ねえ、また一緒に暮らしましょうよ。部屋、まだあなたがいた時のままにしてあるのよ? ボビーも喜ぶわよ」
おっと、ここで彼女から、一緒に暮らそうと、再びお誘いが。
こないだは旦那、今度は奥さんからです。なかなか縁が強い。
でもまあ、戻ってしまったら、なし崩しにボビーとどうにかなる未来しか見えません。特に今はちょっと弱ってるから、余計にね。
スカウト・サージェントは、特質を見ると、頭がよくて鋭い人に見えるのだけれど、どのプレイでも、なかなか子供を作ろうとしなくて、恋愛方面はあんまりな印象です。情愛とかより仕事の方が楽しい感じ。
世帯説明だと、旦那との仲はとてもいいんだけどね・・・どうも仕事の相棒っぽいんだよなあ。
なので、恐らく、夫とサブリナの間にあったあれこれには気づいてないと思う。
自分に関わる人間観察だけはポンコツなタイプ。
いい人です。でも、こうやって心配されると、罪悪感がいや増すのです。
「ごめん、スカウト。私・・・うん、今は甘えちゃいけないんだと思う。でも、どうしてもダメになったら相談してもいい?」
「・・・了解。でも! 何かあったら甘えてよ? なにもかにも自分でやんなくちゃいけないわけじゃないんだからね?」
「うん、ありがとう、スカウト。嬉しい、ほんとに」
ツインブルックは変な人がとても多いんだけど、それなりに人情の街だと勝手に思ってます。別に何してくれるわけじゃないんだけどね、なんとなく。
割とみんな取り繕わないからかな。やってることが素直すぎて逆に信用できる。
まあ、シムに「取り繕う」という概念はないんだけども。それでもね。
先のことはどうなるかわからないけど、気にしてくれている人がいるっていうのは、きっと幸せなこと。
うん、少し元気になってきたぞ!
「!?」
そんな折、ジュリエンヌ・ナックがビル ・ラケットと結婚しました。ハーウッド・クレイとではなく。
いてもたってもいられず、サブリナはハーウッド宅を訪ねます。
「ジュリエンヌが!」
「ああ、新聞を見たんだね。うん、そうなんだよ」
「だって、クレイさんとつきあってたんじゃ・・・? ひどい」
「そんなに怒らなくていいよ。知ってたからね」
「・・・なんで・・・」
「ボクくらいの年になるとね、闘争的な感情はとても疲れるんだ。彼女はビルとちょっとうまくいってなくて、休める場所が必要だった。だからボクが手伝った。それだけのことだよ」
「・・・」
言葉が出ないサブリナ。
「わざわざ心配して来てくれたんだ? ありがとう。ご覧の通り、ボクのことは気にしなくていい」
「・・・クレイさん」
「なに?」
「恋人になりたいとかじゃないです。また来ます。絶対来ます」