肉食ジルさん、恋人はジェイセン君とはいえ、熱烈な愛情からつきあったとは言い難いので、気が合う男性がいれば、これまで通り割と気軽にウフフに突撃します。
その中でも、「恋愛よりどりみどり」願望のドノバン・スティールとはかなり気が合うみたいで、ジェイセンより交流したいという願望を多く出すし、会話(主に色っぽいやつ)もよく弾んでいるようです。
この日も、そんな、いつもと同じような日でした。
「彼氏とはうまくやってんの?」
「そういう関係でもないから聞かれても困る。契約みたいなものよ。私も、今、あなたと寝てるくらいには節操ないし」
「ふうん、まあ、俺にとっちゃ都合はいいかな」
「要はそういうこと。お互い面倒なことを避けようってだけなんでしょ」
「俺には、なかなか複雑な女心が見えるけどねえ」
「なに言ってんの、女心はいつでも複雑よ」
「馬鹿いっちゃいけない。男心だって複雑さ」
「はいはい」
「・・・あんたみたいなのの方が、楽なのよね、ほんと・・・」
「楽じゃない方がよさそうだ」
「・・・」
「世界の重さなんて、自分の心の重さに比例するもんだ。軽けりゃ空を飛べるけど、落ちてしまえばおしまいさ。地面に足をとられても、そこに美味いもんが生えてるかも知れないぜ?」
「ドノバンのくせに、語るわね」
「正義の味方の警察官は、迷子ちゃんの対処もお仕事のうち」
「不良警官がよく言うわ」
「それでも使命は忘れない。あー、いい男は言うことが違うねー」
「ばーか」
あああ、ドノバンとくっついちゃえよ、ジルさんよお!
と、実は、プレイヤーはドノバン推し。
数日後。
「・・・」
「・・・それもいいね」
ジルさんは、ジェイセン君の子供を授かりました。